kotlin_Executor_Worker_Looperとは?

 


android開発で スレッドを扱う際に出てくる用語に


Excecutor, Looper, Workerなどのクラスの名前がありますが、


これらはどのような役割で、どういうところが違うのか


説明していただけないでしょうか?



↓ あとは Handlerもあるようだ



Android開発において、

スレッドを扱う際に登場する **Executor**, **Looper**, **Worker** には、

それぞれ異なる役割があります。


それぞれのクラスや概念の役割と違いを簡単に説明します。


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### 1. **Executor**


- **概要**: `Executor` はスレッド管理を簡略化するためのインターフェースです。


- **役割**:


  - スレッドの作成やスケジューリングを管理します。

  

  - 直接スレッドを作成する代わりに、タスク(`Runnable`)をキューに追加して、

バックグラウンドで実行する仕組みを提供します。


  - シンプルなマルチスレッドの実装を容易にします。



- **例**:


  - シングルスレッドで順次実行する `Executors.newSingleThreadExecutor()`。


  - スレッドプールを管理する `Executors.newFixedThreadPool(int nThreads)`。


  - Android特化の `Executors.newCachedThreadPool()`。



```kotlin


val executor = Executors.newSingleThreadExecutor()


executor.execute {


    println("Running on a background thread")


}


```


- **主な用途**:


  - バックグラウンドタスクの簡単な実装。


  - 非同期タスクの並列処理。



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### 2. **Looper**


- **概要**: 

`Looper` はスレッドが「イベントループ」を実行できるようにするクラスです。



- **役割**:

 

 - スレッドがキューに積まれたメッセージ(タスク)を

1つずつ取り出して処理する仕組みを提供します。


  - 特にメインスレッド(UIスレッド)で使用されます。


  - メインスレッドには自動的に `Looper` が設定されますが、

バックグラウンドスレッドでは手動で作成する必要があります。



- **例**:


```kotlin


val thread = Thread {


    Looper.prepare() // Looperを初期化

    val looper = Looper.myLooper() // 現在のスレッドのLooperを取得

    Looper.loop() // メッセージループを開始

}

thread.start()



```


- **主な用途**:


  - 非UIスレッドでのメッセージループ処理。


  - `Handler` と組み合わせて非同期処理のメッセージ送信。


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### 3. **Worker**


- **概要**: `Worker` は Android の WorkManager ライブラリで使用されるクラスです。


- **役割**:


  - 長時間実行するバックグラウンドタスク(例: データ同期、ログ送信など)を扱います。


  - タスクのスケジュールや実行状態の管理を簡単にします。


  - アプリが終了してもタスクを実行できる(システムによる再スケジューリングのサポート)。



- **例**:


```kotlin


class MyWorker(context: Context, params: WorkerParameters) : Worker(context, params) {


    override fun doWork(): Result {


        // バックグラウンド処理

        return Result.success()


    }


}


```


- **主な用途**:


  - 長時間のバックグラウンドタスク。


  - OSの状態に応じたタスク管理(例: ネットワークが利用可能なときにのみ実行)。


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### まとめ


- **Executor** は短いタスクを非同期で処理するのに便利。


- **Looper** はイベントドリブンなタスク管理をしたいときに使用。


- **Worker** は信頼性の高いスケジューリングを必要とする長時間タスクに最適。



各クラスは役割が異なるため、用途に応じて選択して使用します。


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