📜 **民事訴訟法 第247条(自由心証主義)**
> 裁判所は、証拠調べの結果及び審理の全趣旨に基づき、
自由な心証により事実を認定する。
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民事訴訟手続において、裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨およ
び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と
認めるべきか否かを判断する。
行政書士試験の過去問では
上記の記述が妥当かどうかの選択問題がありますが、
この記述が妥当かどうかは別にして、
自由な心証により、というのはどのような意味でしょうか?
先入観をもたず、客観的な視点、とでも意訳できるのでしょうか?
民事訴訟に関する規定を定めた法律の
第何条かに記載されているのでしょうか?
↓
### 1. **「自由な心証」とは何か?**
「自由な心証」とは、**裁判官が証拠や当事者の主張を総合的に考慮し、
自らの判断で事実を認定できる**という原則です。
一般的な解釈としては、
裁判官が証拠や供述を評価する際、
**形式的な証拠の価値に縛られず、
合理的な判断を下せる**という意味になります。
ただし、「自由」といっても**恣意的(好き勝手)に判断するわけではなく**、
経験則や論理的思考に基づいて公正な心証を形成することが求められます。
### 2. **「自由な心証」=「客観的な視点」?**
「自由な心証」は、
必ずしも「**先入観を持たない**」とか「**完全に客観的である**」
という意味ではありません。
むしろ、「裁判官が主観的な判断を排除する」というよりは、
**形式的な証拠評価ルールに縛られずに、
証拠全体の趣旨を考慮して判断する**という考え方です。
したがって、「自由な心証により」を意訳するならば、
✅ **「裁判官が証拠や供述を総合的に考慮し、合理的に判断すること」**
とするのが適切でしょう。
### 3. **民事訴訟法のどの条文に規定されているか?**
この「自由心証主義」は、
日本の**民事訴訟法第247条**に規定されています。
📜 **民事訴訟法 第247条(自由心証主義)**
> 裁判所は、証拠調べの結果及び審理の全趣旨に基づき、
自由な心証により事実を認定する。
この条文からも分かるように、
裁判所は証拠の種類や形式に縛られず、
**全体の趣旨を踏まえて事実認定できる**とされています。
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